戦後、いわゆる労働三法が制定され、労働者の権利が法的権利となります。さらに経済成長と相まって、急速に労使間の対立やストライキの頻発します。また、特に1960年代における日本経済の急激な成長により、税収や企業からの社会保険料が増加しました。厚生年金・健康保険・労災保険・雇用保険も発展します。しかし、補償額の高度化・制度の複雑化を伴い、煩雑な社会保険の仕組みと申請・給付に係る事務手続きにより中小企業等では対応が困難となっていたのです。
これらに対応する専門家の必要性から、人事・総務部門の業務を行う職業が発生しました。当初、これらの請負業務を合法的に行いうる有資格者は行政書士でしたが、より専門的な知識を持った人材が必要とされました。そこで1968年、社会保険労務士法が議員立法により制定されます。制度発足時の経過措置として、行政書士が試験なく特認として社会保険労務士資格を取得し、およそ9,000名が社会保険労務士となり、社会保険労務士の歴史が始まるのです。